生態系生態学研究

最近の活動

(Instagramより配信中)

生態系生態学とは

生態系生態学とは、生物の複合体である生態系がどのような構造・機能を持ち、それらがどのような周辺環境によって規定されるのかを明らかにする学問分野です。「生態系」と「生態学」を組み合わせた言葉で、広い学問分野で言えば、「生物学」や「生態学」に属します。「生態学」とは生物と環境の関りを明らかにする分野であり、そこにどのような生き物 (種類組成) がどれだけいるのか (生物量) 、すなわち生物の構造とその制限要因を明らかにする学問として始まりました。それはやがて構造だけではなく生物の持つ役割、すなわち機能に関する学問へと成熟していきます。一方で、生き物を研究対象とする場合、様々なスケール観の分野があります。「生態系」とは生産者・消費者・分解者の様々な生物を含む一定の塊と定義され、まるで一つの生き物のように機能し (生態系サービス) 私達に恩恵をもたらします。当研究室・分野では、①様々な生態系の構造と機能を明らかにするとともに、それらが②自然または人為由来の攪乱によってどのように変化するのかを明らかにすることを目的とし、研究活動を行っています。

友常満利の紹介

写真 幼少の頃より生き物と触れ合うのが好きで、小学校から高校まで夏休みの自由研究というえば昆虫採集という典型的な虫採り少年の日々を過ごしていました。理科 (生物)の高校教員になろうと思い、早稲田大学教育学部において教育学と生物学を学び、理科(生物)中学・高校の第一種免許を取得しました。学部4年生に配属となった環境生態学研究室にて、植物生態学の研究に従事する中、恩師の小泉博教授から研究の楽しさや面白さを学び、研究者を目指し同大学院の修士・博士課程に進学しました。そこで専修免許 (生物)と博士号 (理学)を取得しました。その後、神戸大学大学院農学研究科(特命助教)に異動し、教育活動を行いながら土壌学研究室の一員として土壌学の研究に従事しました。これまでの植物生態学と土壌学の素養を組み合わせ、専門分野を生態系生態学し、2017年から母校の早稲田大学教育学部 (講師)に異動し教育・研究活動に従事しました。2020年から玉川大学農学部(准教授)に異動し、現在も教育・研究活動に従事しています。また、幼少の頃より日本文化の継承者として剣術や弓術、茶の湯といった武芸の手解きを受け、幅広い世代に享受しています。生物学の知見から日本の文化を解き明かすことを目指し、文武両道、文理融合の精神を大切にしながら教育・研究活動を展開しています。

生態系生態学の研究に携わりたい方々へのメッセージ

高校生の皆さんへ

写真

玉川大学農学部環境農学科に入学し、生態系科学領域・生態系生態学分野に配属を希望することで一緒に研究ができます。近年、生物を扱う研究は、分子生物学をベースとしたミクロな研究が盛んで、高校の教科書でもそれらの情報がかなり充実してきました。その一方で、生態学のような個体レベル以上のマクロな研究を行える大学・大学院が少なくなってきました。当学科は個体・生態系・地球スケールのマクロな生物学の研究に従事する先生方が多く在籍し、活発な研究活動を行っています。玉川大学は都内にありながらキャンパス内に様々な生態系が残された自然豊かな場所です。生態系と聞くと大自然をイメージする方が多いと思いますが、大都市に残された自然は小さなスケールで所々に存在することが多いのが特徴です。当キャンパスにはそのような様々な生態系が残されており (右上写真:学園内の空撮写真)、「大都市近郊における生態系:里山生態系」を中心に生態系について学修・研究する最適な場所と言えます。また、当学科では体験型の学修を重視し、農業を入り口とした非常に多くの実験・実習科目を通してマクロな生物学を学修することが可能です。さらに、現代のグローバルな社会を生き抜くために、英語教育においては留学が必修科目として設置されているため、活用できる英語力が身に着けられます。国際的な (グローバル) 視点を活かすには、ローカルな (地域的) 特性を十分に理解し融合することが求められます。この2つを融合した「グローカル」な視点は当学科の最大の特徴です。「マクロな生物学を学びたい」「体験を通して生物学を学びたい」、「グローカルの視野を養いたい」という方は、ぜひ当大学・学科を受験してください (情報はこちら)。皆さんの充実した大学の学修・研究活動をサポートします。

玉川大学農学部環境農学科の学生さんへ

2年生の秋学期に生態系科学領域を、3年生の春学期に生態系生態学分野への配属を希望することで一緒に研究ができます。当分野は「物質循環」という視点から、生態系やそれを構成する植物(生産者)、動物(消費者)、微生物(分解者)を対象とした研究が行えます。生態学的なフィールド調査をはじめ、植物生理学・土壌学を基礎とした生物や環境の化学分析、無人航空機 (ドローン) や地理情報システムを活用した画像解析を得意としています。これらの研究テーマや得意技術に興味のある方はぜひ当分野にいらしてください。当分野は「自然の中に身を置くこと」「何事も全力で取り組むこと」の2つを大切にしています。実験室での作業や文献調査も大切ですが、実験室にも書籍中にも生き物は住んでいません。対象とする生き物がいる環境に身を置きよく観察をすることで良い研究の発想が生まれ、実験や文献のもつ意味が初めて理解できると考えています。これまでの指導の中で、何事にも労力や時間を惜しまずに全力で取り組むことができる方は、当研究室で幅広い教養を身に着けながら充実した研究が行えていると感じます。失敗を恐れずに何度もチャレンジできるのは学生の特権です。この2つのモットーに共感された方は、ぜひ一緒に研究活動を行いましょう。実りのある研究ができるようにサポートします。

更新情報

NEW2023/01/25
研究室への新規配属者にともない更新
2022/01/15
研究室への新規配属者にともない更新
2021/02/28
玉川大学への異動にともないホームページを全面リニューアルしました。
2017/04/01
早稲田大学への異動にともないホームページを全面リニューアルしました。
2015/06/01
神戸大学への異動にともないホームページを全面リニューアルしました。
2014/04/01
博士号取得にともないホームページでの情報配信をスタートしました。

» 過去ログ

※最近の活動はInstagramで更新

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